試行調査(プレテスト)が行われました。
センター試験に代わって2020年から始まる、「大学入学共通テスト」の課題を見つけるために試行調査(プレテスト)が11月に行われ、全国約1900校の延べ約19万人の高校2,3年生が参加しました。
プレテストはマーク式と記述式から成り、記述式の採点はこれから行われ、結果は来年3月までに公表される予定です。知識だけではなく、思考力や判断力、表現力を問うた問題が多く、従来のセンター試験の傾向とは劇的に変わったために、教育現場では戸惑いの声も多くあるようです。
例えば、国語では5ページに渡る資料をもとに、部活動の時間延長に関する賛否や問題点を80~120字で書く問題など、委員会で取り上げられるような議題をテーマとした記述問題が3問出題されました。現代文、古文、漢文の読解問題では、複数の文章や図表を組み合わせたものが出題され、全体でみると文章量は従来より2割増しになりました。
数学では、観光客数と消費総額のグラフをもとに、消費額単価の最も高い県を特定する方法を説明させるものが出題され、誘導に従って数式を解いていく従来とは異なり、自ら考え、発想する能力が求められることとなります。また、問題文が長くなり、数学とはいえ国語力が求められるようになったと言えます。
英語に関しては、民間の検定試験を活用する予定ですが、とはいえ24年までは「大学入学共通テスト」の1科目として実施されるため、来年2月に試行調査が行われます。その他の科目に関しても来秋に再び試行調査が行われる予定です。
今回の試行調査に関しては「時間がかかりすぎる」「完成度が低い」などの厳しい評価もあり、これらの改善も踏まえ、来秋の第2回試行調査はより本番に近いものとなるでしょう。
新しい出題方式が高校教育に与える影響も大きいでしょう。どういう対策が必要か、教育現場の試行錯誤が始まります。