大学入試における、英語の民間検定試験の見送りが決定されました。
2019年11月1日、荻生田文部科学大臣は2020年度から導入予定だった、英語民間検定の大学入試英語成績提供システムを延期すると発表し、2024年度、現在の中学1年生以降から導入を検討することになりました。その理由を経済的な状況や居住している地域に関わらず、等しく安心して受けられるようにするためには、更なる時間が必要だと判断し、今回は導入を見送ることとした、としています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2019/11/01/1422381_01.pdf
(英語民間検定について 文部科学大臣メッセージ)
すでに大学入試センターは2020年度より、センター試験を廃止し「大学入学共通テスト」に変えることを発表しています。従来のセンター試験では筆記200点、リスニング50点だった配点が、共通テストではリーディング100点、リスニング100点へと変更されます。しかし、この配点は、民間検定を活用することを前提として文法や発音、ライティングに関する問題を削除して変更されたものです。そのため、今回の民間検定の導入見送りを受けて、再び配点が変更される可能性が大いに考えられます。
英語だけでなく、国語の記述式の問題点に対しても批判が高まっています。記述問題の評価方法が複雑であり、昨年行われたプレテストでは、参加者の約3割が正確に自己採点できませんでした。受験生は、採点結果が通知される前に出願する大学を決めなければならないため、精度の高い自己採点ができないのは大きな問題だとされています。1日に会見した荻生田文部科学大臣は「(記述式問題の)懸念は実施までに責任を持って解決したい」と述べています。