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2017.12.09

人生の礎(いしずえ)をつくることができる塾

岐阜市に本部を置く「キタングループ」は、幼児教育・小学校教育・中学校教育・高等学校教育の一連の教育の基礎を習得させ、子どもたちが持つ、大きな夢や目標を実現させるための「土台」作りを使命とする、地域密着型の塾である。寺林良氏は、二代目だが、現在の塾は実質的にゼロから作り上げたと言ってもよい。壮絶な「第二創業」への苦難の道のりと塾の特色などについて取材した。

 

「第二創業」までの苦難の道のり・・・
千葉 創業、そして正社員数、教室数、生徒数などグループの概要を教えてください。塾を継承した経緯についてもお聞かせください。

 

寺林 1972年に私の父が創業しました。正社員数は27名で生徒数は1100名、7教室で運営しています10年ほど前に経営が行き詰まって、私が引き継いで、ようやく数年前に安定経営となりました。

 

千葉 創立したお父様はどのような経緯で塾を作ったのでしょうか? また、差し支えのない範囲で経営が行き詰まった要因についても教えてください。

 

寺林 父を含めて岐阜市出身の4人の麻雀仲間は同じ名古屋大の学生でしたが、旋盤工だった祖父の工場の二階を借りて塾を開きました。時代が良かったのでしょう。一年で数百名の生徒が集まり、ピーク時には400名以上の塾生でにぎわいました。しかし、塾バブルの時代に放漫経営に陥り、12年前に倒産しかけたのです。売上2億円に対して負債が3億円で、メインバンクが他行の分をまとめましたが、月153万円もの利息を支払わなければならなくなったのです。その際、父から私が塾を継承して、私が塾を経営し返済していくことなったわけです。
 正直、もうダメかと思いましたが、千葉さんの年度版の本(産学社刊「新教育産業」、「2019年私教育」)を読んで成功している塾の事がわかってきて、塾の立て直しに取りかかりました。まず人材のリストラ、教室の統廃合、そしてコストカットの三つがメインです。リストラして人材が減ったので、自立学習のセルフィーやone tooneを導入しました。

 

千葉 塾内改革の具体的な事例も含めて、どんな取り組みをされたのか教えてください。

 

寺林 なんとか塾として生き残るために、最初週の半分は全国の塾を見学して歩きました。そこで分かったのは、塾は成績向上と志望校合格が至上命題ではありますが、その過程にはいろんなものがあるということです。一斉と個別、指導法と研修などを学んで、何か一つでもナンバー1になれるものはないか模索しつつ、複数教室の統廃合を行ったり、黒板をすべてホワイトボードにしたり、さらには週二回だった授業を、月謝据え置きのまま週三回にしました。強い塾もあるので、月謝を上げずに、先生も増やさずにやれないか考えて、週三日目の土曜は自立学習の日にしました。月木の授業復習用のプリントを作成し、それを生徒が自分でノートに貼って復習するのです。これはオリジナル教材であり、これにより生徒の学習定着度がアップしました。人材的に余裕がないのに高等部も立ち上げて、カフェ風の自習室「学び蔵」を作り、これが結構流行りました。

 

千葉 そのような改革と改善によって塾の立て直しが出来たのですね?

 

寺林 いえいえ、社員に給与を支払うと塾から私の生活費が出なくなるので、他塾に1校任せてもらったり、家庭教師をしたり、つまり副業というかアルバイトをして自分の食べる分を稼ぎ出したのです。

 

 

厳しさの中に、人間味あふれる教育
千葉 キタングループのそれぞれのコースについて教えてください。

 

寺林 本科コースは小学3年生から中学3年生までを対象として、週三回の完全理解システムと1クラス18名までの定員制で、公立高校合格を目指しています。学習効果の高い独自開発教材と長年蓄積した豊富なデータをもとに指導しており、特に中学部全学年でネイティブ英語講師による英会話指導を行っています。
 光の泉コースは、特に公立トップの岐阜高校を目指すコースで、ハイスピードで高密度の授業と最高水準の独自テスト、そして受験を熟知した実力派のベテラン講師による指導を行っています。
 高等部は専任講師による志望大学の現役合格を目指すコースで、一斉授業+個別指導+自習室のシステムで、映像教材は市進ウイングネットを活用しています。

 

千葉 幼児と小学校低学年向けのコースがいくつかありますね。コースの概要について教えてください。

 

寺林 山の手英才教育は、1歳9ヶ月から9歳児までを対象として、岐阜聖徳学園大学附属小学校に毎年100%合格している小学校受験の専門コースです。いわゆる「お受験」ですが、無理なく遊びながら楽しく学ぶようにしています。
 アンそろばんクラブは、年中・年長、そして小学1 年生から中学3年生までを対象として、記憶力・集中力・精神力・継続力・処理能力の5つのチカラを育てる「次世代の英才教育」と言えるそろばん教室です。
 習字の筆っこは、年長・小学1年生から中学3年生までを対象として、子どものしつけを後押しする習字教室です。
 アニー英語教室は、年少から年長、そして小学1年生から小学6年生までを対象として、全クラス8名定員で、すべてのレッスンがネイティブ外国人講師が行う英会話教室です。

 

日々成功体験の積み重ねが大事
千葉 キタングループには三つの教育方針がありますね。「『厳格さ』と『愛情』の教育」「『忍耐』と『成長』の教育」「『実践』と『実績』の教育」のそれぞれについて教えてください。

 

寺林 キタン塾は、妥協しない本気の指導を行っており、愛情を持った厳しさで生徒に接していますし、私たちはつねに本気で結果にこだわっています。
 子どもが伸び悩む時期こそ大切だと思っています。結果が出ない苦しい時期を忍耐強く頑張ることで、その後縮んだバネが一気にはじけるように、急激に成長する時がやってきますが、そのために努力し力を蓄える必要があります。キタン塾の講師は、そのような時期も生徒に寄り添い一緒に乗り越えられるように尽力しています。
 人間は未来を想像することが出来る生き物です。もっと出来るようになりたいという目標を持って努力すれば成功し、それが貴重な体験となり、自分の夢に向かって努力出来る人間になります。
 塾でいう一番の成功体験は志望校合格ですが、私たちキタングループでは、もっと日常的に成功体験を積み重ねさせたいと考えています。

 

千葉 そのために行っている象徴的なものはありますか?

 

寺林 他塾にはないほど多くのテストを行っています。キタン塾独自のテストは学力の確認というよりも、「教材」という位置づけです。生徒が問題を自発的に解き、知識の習得や成績向上を目指す、つまり実践から実績につながるわけです。日々の成功体験の積み重ねがキタン塾の教育方針なのです。

 

 

沢山の異文化との接触の機会をつくるべきである
千葉 塾で「人生の基礎をつくる」とは具体的にどのようなことでしょうか?

 

寺林 人生の礎というものは、人間にとって永遠のテーマだと認識しています。たとえば、コップの水を見る場合、人によってその見方もいろいろです。芸術を学んだ人、哲学を学んだ人、そして物理学を学んだ人など、その答え方もさまざまあるわけです。私自身が井の中の蛙にならずに、外に出て全国の塾の方に教えていただき、同じ世代の人より少しは深く物事を理解したつもりです。世の中の人との出会いこそが勉強なのですね。日本の公教育は、学校という狭い空間に生徒たちを押し込んでしまっているように思いますが、もっと外に出て沢山の異文化との接触の機会を作るべきではないかと思っています。

 

 

「ワン・ストップ塾」としてのメリットとは?
千葉 キタングループが成長し市場から選ばれている大きな理由は何でしょうか?

 

寺林 キタン塾に来れば何でもある「ワン・ストップ」という安心感と信頼感、そして適正価格が市場に受け入れられているのではないかと思います。ただし、県内某所では、小学生0円の塾があったりするので、気をつけないといけないと思っています。
キタン塾では、江戸時代に広まっていた「寺子屋」が学習塾の前身であると考えており、「寺子屋式教育」を理想の理念としています。日本が先進国として成長出来た要因は寺子屋の「読み・書き・そろばん」という学習の基礎を子どもたちに広く習得させたことだと思っています。

 

 

社内のシステムエンジニアが起こした「奇跡」
千葉 高校部は映像授業なのですか?

 

寺林 はい、岐阜でも人材がなかなか採れません。それで、縦の戦略で高校部をやる際に、市進のウイングネットを入れました。これを使えば人手をかけずに自立型で指導が出来ると思ったからです。ウイングネットの導入をきっかけに、自立学習のシステムを社内で構築し始めることになりました。その中で誕生したのが『英単マスター』という英語の単語を速習していくシステムです。この『英単マスター』は他社でも利用が進み現在では3000ユーザー以上が利用するヒット商品となっています。また、現在の英語4技能化に対応した小学生英語授業教材『ANNIE Jr.Englishシステム』はFC事業として今年度発売されました。すでに10教室以上でこのシステムを使った教室が稼働しています。社内に有能なシステムエンジニアがいることで、このような特別な売上が産まれたわけです。

 

 

「新しい教育のカタチ」を実践して学び続けていきたい
千葉 寺林代表の個人的な夢、また、会社としての目標、目指すものについて教えてください。

 

寺林 塾という仕事は他の仕事よりも未来の可能性が低いと感じています。他の仕事は人を減らしても居なくても何とかなりますが、塾はリアルな人間が生徒の前に立たないとビジネスになりません。
塾業界に何らかのイノベーションが起きないと未来はないのですが、新し過ぎてもダメですし遅過ぎてもダメです。いくら良いものでも、ちょうど良いタイミングで導入しないと成功しないと思います。
現在、障害者教育事業として就労移行支援も手がけています。今さらに武田塾と提携して高校生の教室を一つ出します。キタン塾から少し離れて、新しい教育のカタチを実践して学びを続けていきたいと思っています。

 

(2017年11月8日、岐阜市にて取材)

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