現中学3年生の保護者は必須!大学新テスト“内容と秘策”
共通一次試験が大学入試センター試験に変わってから30年ぶりに、国公立大学を中心とした入試の大改革が始まる。
毎年50万人以上が受験するセンター試験が2020年度(21年1月実施予定)から「大学入学共通テスト」(以下、新共通テスト)に変わるのだ。注目される新共通テストの実施方針を文部科学省が7月13日に発表した。
ただ、方向性がはっきり決まっていない部分が多く、学習塾や学校現場では戸惑う声もある。
これまでとの大きな違いは、国語と数学に記述問題が入り、英語が段階的に英語検定やTEAPといった民間検定試験に移行することだ。
国語、数学は自分自身の意見を論理的にまとめて書く力が試される。英語は今までの、読む、書くの2技能を評価するものから、読む、聞く、話す、書くの4技能が評価されるものになるのだ。
まず、英語を見ていこう。河合塾によれば、英語の民間試験の利用入試は17年度現在、全国の大学の推薦・AO入試で35%、一般入試で15%と実は先行して実施されている。
この場合、入試の出願資格としてや、ある一定のスコアを取っていれば英語の個別試験免除、スコアによって加点といった利用のされ方が多い。
ただ、20年度からの新共通テストでは英語の試験がどの民間試験のスコアを使うのか、まだ決まってはいない。今後どうなっていくのか。
「英語の民間試験を少なく絞ると地方の受験生が不利になる。検定金額も安く、なじみがある英検なら確実」と話すのは英語指導に定評のあるアニーグローバルエデュケーション取締役小野田容子だ。
多くの英語の民間試験があるが、会場数や検定料はさまざま。逆に英語の民間試験を幾つかに絞ると地域によっては受験しにくく、不利になる受験生も出てくるという。
そのため、「全て採用され、その中から受験会場か受験生の適性を考慮して受験させる可能性が高い」というのは難関大学受験に定評のある慶應受験会を運営するエデュケーショナルブレイン代表の菅谷隆臣の意見だ。
しかし、この民間試験対策に必要な4技能を教えられる指導者不足が問題だ。「学習塾や学校には、正直まだ教えられる指導者は少ない。だから外部に相談したり研修会に参加しててんやわんや」(学習塾関係者)だという。
ここで注意したいのは、すぐに英語の試験が民間試験に置き換わるのではないということ。完全に変わるのは24年度以降の話だ。
23年度までは、現センター試験のマーク式試験と文科省が認定した民間試験のどちらか一方、もしくは両方を利用できるような流れになる。それ以降は一本化されていく。さらに、地理歴史・公民や理科の試験でも、24年度からの記述式の導入が検討されていく。
それはさておき、新テストの出題内容、対策が一番気になるところ。文科省は国語と数学の問題の例を示している。